人気サッカー解説者の林陵平さんが、年間数百試合を観戦・解説してきた経験をもとに、“試合の観方”を言語化したシリーズ第2弾。
本書は、1作目で扱われたポジションやシステムの理解を前提に、現代サッカーをより深く読み解くための一冊です。
「ハイプレス」や「保持/非保持」など、解説で頻出するキーワードを軸に、試合の見え方を一段引き上げてくれます。
さらに、2026年のFIFAワールドカップを見据え、日本代表を含む優勝候補9か国の分析も収録。大会前の“観戦予習本”としても非常に有用です。
総合評価⭐⭐⭐⭐
読みやすさ ★★★★☆
初心者向け ★★★★☆
情報量 ★★★★★
観戦が楽しくなる★★★★☆
おすすめ度 ★★★★☆
1. 内容
■ 現代サッカーのキーワード
本書では、解説でよく使われる10のキーワードを軸に、現代サッカーの構造を解説しています。
「再現性」「修正力」「ハイプレス」「ミドルプレス」「ローブロック」
「可変システム」「主導権」「保持/非保持」「優位性」「崩し」
いずれも試合中に頻繁に語られる言葉ですが、意味をしっかり理解しているかどうかで、観戦の解像度は大きく変わります。
※ポジションやシステムの基礎理解が前提なので、初めての方は1作目から読むのがおすすめです。
■ 2026年W杯 優勝候補9か国分析
日本代表を含む9か国について、
- 基本フォーメーション
- 攻守の特徴
- キーマン
が整理されています。
グループステージで日本と対戦するオランダについても触れられており、大会前の予習としてかなり実用的な内容です。
■ 欧州12クラブの現状分析
欧州主要12クラブについて、戦術・強み・課題を分析。
ただし、チームは常に変化する“生き物”。
本書刊行直前に複数クラブで監督交代があり、内容は2025年冬時点のスナップショットとして捉えるのが良さそうです。
「当てる」ための情報というより、林さんがどう分析するかという“思考の型”や”目線”を学ぶパートだと感じました。
■ 推し監督・推し選手
林さんが注目する監督・選手を計14人紹介。
すでにビッグクラブへステップアップした選手もおり、前作同様“先物的な面白さ”があります。
W杯後にどう飛躍するか、追いかける楽しみも増えます。
2. 感じたこと
■ キーワードで観ると、試合の意味が変わる
サッカーは非常にシステマチックなスポーツだと改めて実感しました。
特に「ハイプレス」「ミドルプレス」「ローブロック」といった守備の分類を理解すると、TV解説でよく聞く“守備の決まり事”とはこれらを指していたかと腑に落ちます。
これまでボール周辺だけを追っていた視点から、
- ボールのないところの動き
- チーム全体の配置
- 意図された守備の形
に目が向くことができるようになれば、観戦の深さが一段変わると感じました。
■ 分析は「事前に知る」ことで活きる
フォーメーションやキーマンの情報は、試合前に知っておくことで価値が最大化されます。
欧州クラブ分析は変化も早いため“参考情報”として楽しみつつ、
W杯出場国の分析は大会前に読むことで、より大会を楽しむことが出来る様になる内容だと感じました。
おわりに
1作目が「基礎編」だとすれば、本書は「実践編」。
林さんの視点そのものを追体験できる構成で、「どう観ればいいか」がより具体的に見えてきます。
試合の楽しさは人それぞれですが、
まずは“目の前で起きていることを理解できるか”が大きな分かれ目だと思います。
林さんは、その“言語化”に非常に優れた解説者だと感じます。
本書のようなインプットを積み重ねることで、
- 試合の状況を言葉で捉えられる
- 駆け引きを理解できる
- 観戦がより主体的になる
そんな状態に近づけると思います。
サッカーを「なんとなく観る」から「考え把握しながら観る」へ。
その一歩を後押ししてくれる一冊でした。
書籍情報
題名:林陵平のサッカー観戦術 2: 試合がもっともっと面白くなる極意
著者:林陵平
発行所:平凡社
ISBN:978-4-582-86099-3
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