サッカーを観ていて、こんな風に思ったことはありませんか?
「解説で言ってること、なんとなく分かるけどちゃんと理解できてない気がする」
そんな人にちょうどいいのが、
林陵平さんの『サッカー観戦術』です。
人気サッカー解説者である林さんが、年間数百試合を観て、数十試合を解説している経験をもとに、
**“試合のどこを観れば面白くなるのか”**を言語化した一冊になっています。
総合評価⭐⭐⭐⭐⭐
読みやすさ ★★★★★
初心者向け ★★★★★
情報量 ★★★★★
観戦が楽しくなる★★★★★
おすすめ度 ★★★★★
1.本書のポイント
■ ポジションの役割が分かる
サッカーは11人でプレーしますが、ポジションごとに役割や求められる能力は大きく異なります。
本書では、実況や解説で当たり前のように語られる前提を、丁寧に分解して説明しています。
また、「偽9番」や「偽サイドバック」といった、
近年の戦術トレンドについても触れられており、現代サッカーの理解にもつながります。
■ フォーメーション(システム)の見方が分かる
「4-4-2」や「4-3-3」といったフォーメーション。
これまで“なんとなく聞いたことがある”程度だったものが、
チームの狙いとセットで理解できるようになります。
アルゼンチン代表やリヴァプールといった具体例を使って説明されているので、イメージもしやすいです。
■ 90分の試合の“観るポイント”が分かる
サッカーは90分間、常に状況が変わり続けるスポーツです。
本書では、
- 序盤(最初の10分)
- 中盤①(前半終了まで)
- 中盤②(60分まで)
- 終盤(試合終了まで)
といった時間ごとに、どこに注目すべきかが整理されています。
「なんとなく観る」から「流れを意識して観る」へ。
ここが理解できると、試合の面白さが一段上がります。
■ 推し選手・監督の紹介も面白い
本書の最後には、林さんが選ぶ注目の選手・監督が紹介されています。
2024年出版の本ですが、その多くがその後ビッグクラブへ移籍しており、
林さんの“見る目の鋭さ”にも驚かされます。
2.読んで感じたこと
■ サッカーは想像以上に“設計されている”
サッカーを観ていると、
- なぜか相手の方が人数が多く見える
- スペースがあるはずなのに埋まっている
と感じることがあります。
これらは偶然ではなく、
システムと戦術によって意図的に作られているものだと、本書を通じて理解できました。
自分は未経験者なので、フォーメーション同士の細かい“噛み合わせ”まではまだ完全には理解できませんが、
それでもチームの基本形をイメージできるようになっただけで、観戦の解像度はかなり上がったと感じています。
■ 監督を知るとチームが分かる
本書では、監督の紹介にも多くのページが割かれています。
スポーツはどうしても選手に注目が集まりがちですが、
チームの色を決めているのは監督です。
特定のチームを深く理解するためには、選手だけでなく監督を知ることが重要だと気づかされました。
■ ヨーロッパ中心なので少しハードルはある
本書で扱われる具体例は、基本的にヨーロッパサッカーです。
そのため、Jリーグ中心で観ている人にとっては、
選手やチームのイメージが湧きにくい部分もあるかもしれません。
とはいえ、内容自体は普遍的なので、知識としてはしっかり活きてきます。
おわりに
サッカーは世界中でプレーされているスポーツであり、
戦術やトレンドの多くはヨーロッパから生まれています。
その分、年々プレーは複雑になっており、
解説の内容も高度になってきています。
だからこそ、最低限の前提知識があるかどうかで、
「分かる・分からない」の差が大きく出てしまう。
本書は、そのギャップを埋めてくれる一冊です。
こうした解説に触れていくことで、
にわかファンでも、より深く試合を理解しながら楽しめるようになる。
そんな“観戦の入口”として、とても良い本だと感じました。
書籍情報
題名:林陵平のサッカー観戦術: 試合がぐっと面白くなる極意
著者:林陵平
発行所:平凡社
ISBN:978-4-582-86051-1
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