毎年恒例の夏の甲子園観戦に行ってきました。
元高校球児ということもあり、選手の気持ちを想像しながら観る一方で、
「自分が監督だったらどうするかな?」と考えながら観ることも多いです。
今回は8月14日、15日、16日の3日間で合計8試合を観戦。
いろいろ感じたことがあったのですが、まずはそれぞれの試合で印象に残ったことを書いていきます。
まずは8月14日と15日の5試合から。
■8月14日|大会第10日目
この日は外野席で観戦。
西日が落ちてナイターになると、照明に照らされた外野の芝生がすごくきれいでした。

第3試合 日南学園(宮崎) 1-10 横浜(神奈川)
この試合で一番印象に残ったのは、やっぱり横浜の織田くん。
6回裏に投げた5球は、まだ大会が終わっていないとはいえ、
今後も語り継がれる投球になるんじゃないかと思いました。
最初からフルパワーなのに、しっかりコントロールされた155キロ。
プロの中継ぎエースがマウンドに上がったような雰囲気で、高校生が打てるボールには見えませんでした。
そして、個人的に好きだったのが横浜のバスター。
日南学園にバスターを決められた次の回に、今度は横浜がバスターを仕掛ける。
「やられたら、やり返す」
こういうところに王者の矜持を感じました。
さらに投手交代後、最初のストライクを満塁ホームランにしてしまう横浜の打者もすごい。相手投手が代わった直後に、いきなり仕留める技術と自信。強いチームはこういうところが違うんだろうなと思いながら観ていました。
■8月15日|大会第11日目
この日は中央指定席の上段。
少し一塁側寄りの上段だったのですが、日差しに当たることがほとんどなく、長時間観戦にはかなり快適でした。
そしてこの日はなんと……
4試合とも三塁側のチームが勝利。
こんなこともあるんですね。

第1試合 高川学園(山口) 3-6 天理(奈良)
序盤の高川学園の攻撃が素晴らしかった。
チャンスを作るだけではなく、作ったチャンスをしっかり得点につなげていました。
ただ、天理がクーリングタイム明けの6回表に逆転。
ここで考えてしまったのが「投手交代のタイミング」です。
高川学園としては回頭からの交代も考えていたと思います。
でも、3点リードしていて、しかも先発投手はまだ1点も取られていない。
この状況で「先手を取って交代する」という決断は、事前に決めていたとしてもかなり難しいですよね。
結果だけを見ると「代えておけば」と思ってしまいますが、現場では簡単には決められない。
高校野球を観ていると、こういう「結果が出た後だから言えること」がたくさんあります。
第2試合 敦賀気比(福井) 3-7 智辯和歌山(和歌山)
両チームとも二遊間がかなり上手い。
守備が締まっていて、見ていて気持ちのいい試合でした。
そしてタイブレーク。
10回表、智辯和歌山はノーアウト満塁。
4番の山田くんがダブルプレーに倒れて、まさかの無得点。
「これは厳しいか……」と思った直後、その裏にいきなりブルドッグを成功させる。この切り替えはすごい。
技術だけではなく、直前に起きたことを引きずらないメンタルの強さを感じました。
敦賀気比の先発・辻くんも印象的でした。
タイブレークの10回になっても、低めの変化球でしっかりストライクを取る。技術はもちろんですが、あの場面でも丁寧に投げ続けられる集中力がすごかったです。
そして智辯和歌山といえばジョックロック。
10回にずっと流していたジョックロックで勝ち切れなかったら、11回は別の曲に切り替えていました。
応援団も「勝つためにできること」を続けているんだなと。
選手だけではなく、アルプスも含めてチームなんだなと感じた場面でした。
第3試合 三重(三重) 5-2 履正社(大阪)
結果的には履正社の投手交代の遅さが裏目に出てしまいました。
先発の上山くんは2年生。
試合終了後、ずっと泣いていました。こういう経験を次にどうつなげるのか。まだ2年生なので、ぜひこの経験を糧にしてほしいなと思います。
もう一つ気になったのが、序盤に5点差をつけられた後の攻撃。
5点差になると、取れる作戦の選択肢がかなり狭くなります。
ランナーが出ても、どうしても打っていくしかない。
もちろん履正社ほどのチームなら「打って大量得点」という考え方もありだと思います。ただ、序盤に大きくリードされたときに、「まず1点を返す」「次の1点につなげる」というように、逆転までの道筋をどう作るのか。
そのための気持ちの切り替えや、考え方の整理も準備できるのかもしれないなと思いました。
第4試合 拓大紅陵(千葉) 3-6 仙台育英(宮城)
仙台育英の丹羽くん。1年生で3番・サード。
しかも攻守ともにレベルが高い。
「本当に1年生?」と思いながら観ていました。
一方の拓大紅陵も負けていません。
ヒットを重ねてチャンスを作り、スタンドではずっと「チャンス紅陵」。
終盤になるとアルプススタンド以外の観客も手拍子を始めて、球場全体に少しずつ「もしかしたら」という雰囲気が出てきました。
もちろん度が過ぎれば問題になることもありますが、アルプス以外の観客を巻き込んでしまうのも、勝負においては大事な力なんじゃないかと思います。応援団が頑張ったからこそ生まれた空気でもあります。
そして8回裏。
3点差、ノーアウト1・2塁。
拓大紅陵は強行して無得点でした。
バントをしたからといって点が入る保証はありません。
それでも、**「あそこで1点でも返せていたら……」**という「もしも」は考えてしまいます。
こういう場面を自分ならどうするか。
監督目線で観戦する面白さは、こういうところにあります。
そしてもう一つ。
吹奏楽部もの演奏はこの日の8校の中では一番大きく感じるくらいの音量。
ブラバン王国・千葉、さすがです。
おわりに
今回は8月14日、15日の5試合について書いてみました。
甲子園は、もちろん選手のプレーを見るだけでも十分面白い。
でも、
「なぜこのタイミングで投手を代えたのか」
「なぜバントではなく打ったのか」
「選手は直前のプレーをどう切り替えているのか」
「応援が球場の雰囲気をどう変えているのか」
そんなことを考えながら観ると、また違った面白さがあります。
元高校球児として選手目線で見ることもあれば、監督だったらどうするかと考えることもある。
そしてスタンドから見ている一人の観客として、球場全体の雰囲気を楽しむこともある。
このあたりを行ったり来たりしながら、今年も甲子園を楽しんでいます。
8月16日に観戦した3試合については、また別の記事で書きたいと思います。
その他
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