テニス|『錦織 圭 マイケル・チャンに学んだ勝者の思考』児玉 光雄【2冊目】

 最高ランク世界4位。近年の日本テニス史上最高の選手である錦織圭選手。
全米オープン準優勝という快挙を成し遂げた直後の2014年12月に、錦織選手の強さの秘密を、彼の発言とマイケル・チャンコーチの指導方法と絡めながら元プロテニスコーチである著者が解説した一冊。

 トッププロの言葉から、スポーツはもちろん日常の仕事にも使える考え方やメンタルの持ち方、そしてコーチングで大切なことを学べた一冊。

1.内容

■2014年全米オープン~ツアー・ファイナルベスト4の際の躍進の軌跡
 当時錦織選手が発した言葉と共に、どのような考え方、気持ちでプレーを行い一気にトッププロとなったのか

■マイケル・チャンに学んだ思考
 マイケル・チャンによるコーチングでメンタル面が改善し、一気に成長したと言われている錦織圭選手。チャンコーチはどのような指導を錦織選手に対して行ったのか

■錦織選手の進化から私たちが学べること
 2008年のプロデビュー以降の言葉より、どのような考えで活動してきたのか。またトッププロの中では小柄であっても活躍できる錦織選手のように、世界の中で活躍するためには

2.印象に残ったことば

■マイケル・チャンコーチの言葉
『きっと、君は私をきらいになるだろう』
『スコアじゃない、全てのポイントに意味がある』
『毎年、いろんなことに挑戦して、それをクリアしていくことが楽しいんだ。1つ目標をクリアすれば、また新たに目標が生まれる』
『派手なショットを打つ必要はない。シンプルさが大事だ』

■錦織圭選手の言葉
『悩んで解決する悩みと、悩んでも解決しない悩みがある』
『自分の道は決まっていた。当然、世界に出ていくものと思っていました』
『テニスをすることに生きているという理由があり、そこから快感が生まれてくる』
『世界のトップで戦っていると、そんなに”日本人としての自分”を意識することはないんです。』

3.学び

■コーチング
 相手と目標が一致していれば、一時的に嫌われたとしても相手のためを思っている行動ということは必ず伝わる。大切なことは相手の成長を常に思い、その為にできることは何かに思考を集中する。
 結果だけでなく、プロセスにも意識する。(それが勝負の世界であったとしても) シンプルな工夫の積み重ねが成果に導く。

■プレーヤーとして
 好きこそものの上手なれ。まず楽しくなければ続かず、続かなければ上達せず、上達しなければ結果は出せない。
 自分の考えをきちんと持てれば、日本人だから外国人だからという視点は関係ない。

終わりに

 2020年の今振り返ってみると、錦織選手にとってチャンコーチとの出会いは大きなものであったと改めて感じた。2014年以降も2015年、2016年と3年連続でツアーファイナルに出場し、世界ランクトップ10維持と世界のトップになった錦織選手。チャンコーチと出会わなくても日本選手の中では飛びぬけた存在であったが、さらに1人のコーチと出会うことで飛躍となった。
 ビジネスの世界でもコーチングは近年よくキーワードになっているが、トッププロスポーツ選手とそのコーチを通じて、ビジネスにも使える普遍的なコーチングの考え方も学んでいきたい。

書籍情報

題名:錦織 圭 ~マイケル・チャンに学んだ勝者の思考~
著者:児玉 光雄
発行所:楓書店
発売元:サンクチュアリ・パブリッシング
ISBN:978-4-86113-824-9

目次

序章 錦織圭、躍進の軌跡
PART1 マイケル・チャンに学んだ勝者の思考
 1章 意識を変えれば人は成長できる
 2章 マイケル・チャンの魔法の言葉
 3章 トップを目指すための思考法
PART2 錦織の強さの秘密
 4章 自分を進化させる方法
 5章 いかに逆境を乗り越えるか
 6章 夢をかなえるために何をすべきか

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